資格職ノート
保育士

保育士の配置基準は2024年に変わった。でも、自分の園が変わったとは限らない

公開
2026年9月22日
制度の確認
2026年9月22日時点

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この記事でわかること

  • 2024年度に4・5歳児が30:1から25:1へ、3歳児が20:1から15:1へ改められた
  • ただし経過措置があり、従前の基準のまま運営することも制度上は認められている
  • 3歳児の経過措置は令和9年度末で終わるが、4・5歳児は終期が設定されていない
  • 基準を上回る配置をした施設には加算があり、取得の有無は園の方針の手がかりになる
  • 面接で確認できる質問の形に整理

2024年度(令和6年度)に、保育所の職員配置基準が見直されました。4・5歳児は30対1から25対1へ、3歳児は20対1から15対1へ。4・5歳児については、こども家庭庁の資料で「制度創設以来76年ぶり」と書かれている改正です。

ただ、基準が変わったのに現場が楽にならない、という話をよく聞きます。 これは気のせいではなく、制度の側にそうなる仕組みがあります。

いまの配置基準

年齢改正前現在補足
0歳児3:13:11998年度から変わっていない
1歳児6:16:1基準は据え置き。5:1への改善は加算で促している
2歳児6:16:11969年度から変わっていない
3歳児20:115:12024年度に改正。経過措置は令和9年度末まで
4・5歳児30:125:12024年度に改正。経過措置の終期は未設定

「25:1」は、こども25人に対して保育士1人という意味です。

基準は変わったが、従前のままでも違反ではない

今回の改正には経過措置がついています。こども家庭庁の資料には、 「人材確保に困難を抱える保育の現場に、混乱が生じないよう、当分の間は、従前の基準により 運営することも妨げない」と書かれています。

つまり、4・5歳児を30対1で回している園も、制度上は問題ありません。基準が25対1になったこと自体は事実ですが、それが全ての園に同じ速さで反映されるわけではない、ということです。

3歳児には期限がついた。4・5歳児にはまだない

ここは最近動いたところです。令和8年度の見直しで、3歳児の経過措置に終期が設定されました。「令和9年度末まで」です。

理由も示されていて、3歳児を15対1以上で配置している施設の割合が、 基準改正時(令和6年3月)の94.3%から、令和7年7月には97.2%まで 上がったことが挙げられています。ほぼ行き渡ったので、期限を切った、という流れです。

一方で、4・5歳児の経過措置には、現時点で終期が設定されていません。「改善の状況を確認しながら、経過措置の取扱いを検討」という段階にとどまっています。

年齢によって、基準の浸透の度合いが違うということです。 3歳児クラスは基準どおりに近いのに、4・5歳児クラスは従前のまま、という園はあり得ます。

基準を満たすと、園にはお金が入る

改正と同時に、基準を上回る配置をした施設への加算措置が設けられています。

  • 4歳以上児配置改善加算(2024年度に新設)。 30対1の配置に要する経費と、25対1に要する経費の差額に相当する額が加算されます。
  • 3歳児配置改善加算。平成27年度から設けられており、 令和4年度の取得率は約90%と示されています。
  • 1歳児配置改善加算(令和7年4月〜)。 1歳児の配置を5対1以上に改善した場合に加算されます。 1歳児は基準自体は6対1のままで、改善は加算で促されている状態です。

つまり、手厚く配置している園には、そのぶんの収入が入る仕組みになっています。加算を取っているかどうかは、その園が人員配置にどういう方針で臨んでいるかの手がかりになります。

給与のほうも動いています

配置とは別に、処遇改善の枠組みも変わりました。

  • 令和7年度に、処遇改善等加算が一本化されました。制度が3つに分かれていたものが統合されています。
  • 公定価格上の処遇改善は、令和7年度が令和6年人事院勧告を踏まえて+10.7%、 令和8年度が令和7年人事院勧告を踏まえて+5.3%と示されています。

ただしこれは公定価格(園に入る金額)の話であって、一人ひとりの給与にどう配分するかは施設の裁量です。 「国が上げた」と「自分の手取りが上がった」の間には、施設の配分方針が挟まっています。

職場を選ぶときに確認できること

ここまでを、確認できる質問の形に直すとこうなります。

  1. 4・5歳児クラスは、実際に何対1で回していますか。基準は25対1ですが、経過措置があるため園によって異なります。
  2. 4歳以上児配置改善加算を取得していますか。取得していれば、25対1の配置に見合う収入が入っています。
  3. 1歳児は5対1にしていますか。基準は6対1のままなので、5対1なら基準を上回っています。
  4. 処遇改善等加算は、どういう考え方で配分していますか。配分は施設の裁量なので、方針を聞く価値があります。

これらは求人票には書かれていません。園に直接聞きにくい内容でもあるので、 人材紹介を使う場合は間に入って確認してもらうのが現実的です。 どのサービスを選ぶかについては、保育士の転職エージェントは、何で比べるべきかにまとめています。

出典

  • こども家庭庁「保育提供体制の強化(職員配置基準の改善等)」(PDF)
  • こども家庭庁 成育局保育政策課「令和8年度 公定価格・基準等の見直し事項」(令和8年4月)(PDF)

制度は改定されます。掲載内容は確認日時点のものです。 誤りにお気づきの場合はお問い合わせよりご連絡ください。